震災と原発所事故の影響を受けて2012年研修に関する重要なお知らせ

東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響を受けて2012年度アジア学院トレーニングプログラムに関する重要なお知らせ

2011年12月16日

2011年3月11日、日本は大規模な津波を伴うマグニチュード9の地震に襲われました。福島県の福島第一原子力発電所の深刻な被害を含め東日本一帯の破壊は甚大でした。9か月を経た今、大震災に関するニュースが国際的に報じられることもなくなりました。と言って、全てが正常に戻ったわけではありません。ガレキの片づけや再建作業は進行していますが、まだ残された仕事は多く、稀にみる大災のため復興には長年を要するでしょう。
アジア学院は日本の東北部に位置するため、今回の災害の影響を受けました。地震の揺れが強かったため(人身被害はなかったものの)建物は大きな被害を受けました。今でも余震が続いていますが、次第に弱まってきて回数も減少しています。1ヵ月に1-2回程度になりました。アジア学院では用心のため地震に対する緊急安全対策法を皆に教えていますが、海岸からは離れているため津波の心配はありません。
アジア学院は栃木県那須塩原市に位置し、福島第一原子力発電所から110km離れています。原発事故が起こった時、放射性物質が漏れ周辺が汚染されました。日本政府も地域行政もこの地域における放射能の濃度は低く、安全なレベルであると判定しました。この地域では学校も開いており商売も続けられており生活は平常通りです。
しかし、原発から漏れ出した放射性セシウムでこの地域が汚染されたことは事実です。汚染濃度は低いと判定されましたが、注意深く洗浄作業を行っています。アジア学院では有機農業を実践しており、自然を同等のパートナーとしてその働きを進めてきました。地域の環境には気を配り土地を育み健康な状態に戻すよう全力を尽くしています。健康な土こそが健康な食と健全なコミュニティーの基礎であり、もっとも大切なものであると考えるからです。

福島第一原子力発電所の現況
原発を安定させ修理する作業が進行中です。主要な一連の冷却システムが設置され、冷却用バックアップおよび緊急時用のシステムも配置されました。汚染水の貯蔵タンクも設置されました。原子炉第1号機を覆う大きなカバーが建設され、3号機にも同様な処置が取られる予定です。福島原発で今後大きな事故が起こる可能性は低いですが、用心のためアジア学院では緊急時避難計画を作りました。

アジア学院校内施設
地震により校内施設に被害を受けました。本年度行われてきた修理や再建工事は来年度も続けられます。工事が完了し2012年度のトレーニングプログラムの開始時には使用できる施設もありますが、工事中になるものもあります。トレーニング期間の初期には不便な点もあるでしょうが、トレーニングプログラム自体が損なわれることはありません。

  • 新しい教室/図書館、および新しい調理場/食堂 - これらの建物の建設は2012年1月に始まり6月に完成する予定です。校内の中心部に位置する重要な施設です。完成するまでの間は、古い調理場と食堂を使用し、授業はファームショップの「フィールド」教室、または食堂で行います。
  • 事務管理棟 - 現在の事務管理棟は1月に取り壊される予定です。事務所は新しいファームショップの西側の部屋に移動しました。アジア学院の事務管理部門は2012年度トレーニングプログラムの開始時までには平常通り機能できます。
  • 寮 - 女子寮は既に修理も完了し内装も新しくなりました。男子寮の改装時期は検討中ですが、2013年度になる可能性が高いです。
  • 豚舎 - 地震により破壊されたため再建が必要です。この冬に再建し、2012年春には使えるようにする予定です。

アジア学院農場
前述のように校内の放射性セシウムのレベルは低いです。震災直後の春から土地の除染に努めてきました。地震直後にガイガーカウンターを入手し、校内全域を注意深く測定してきました。また、土のサンプル、食品、その他の物の放射性セシウム量を測定できる機器を備えました。
  除染の努力

  • 落ち葉や枯れ草 - セシウム濃度が高いため除去。
  • 大豆による汚染除去 - 大豆は放射性セシウムの吸収率が良いとの報告があるので、3ヘクタールに大豆を植え、収穫しました。
  • 表土の除去 - セシウム汚染は土の表面5cmの深さまでといわれるので、校内でも数ヶ所で表土を除去しました。
  • 汚染された有機物をバイオガスシステムで処理する実験 - 汚染された有機物を1ヶ所に集め分解するのを待っています。来年、有機物が分解したら、バイオガスシステムを通し内蔵されているゼオライトフィルターでセシウムを除去する実験を行う予定です。

ジア学院のカリキュラム - トレーニング期間
地震の影響にもかかわらず、2011年度のトレーニングプログラムを終了させることができました。多少の変更はありました。最も大きな変更は、トレーニングの開始が4週間遅れ通常より3週間早く終了したことです。2012年度のトレーニングプログラムでは、教科課程の大きな変更は予定しておらず、期間の短縮もありません。

放射能被曝
アジア学院に滞在する間は低レベルの放射能被曝を受けます。残念ながら、これが避けられない事実であり、できるだけ明確に説明させていただきます。
地震以前の日本における放射能安全基準値は1ミリシーベルト/年でした。(シーベルトは放射能の生物に与える影響を測定する単位。) 原発事故後は、緊急時対策として、国の基準は20ミリシーベルト/年に引き上げられました。
アジア学院では安全基準として1ミリシーベルト/年を固持し、その基準値以下を維持できるよう環境の改善に全力を尽くしています。しかしながら、現状のデータからは、アジア学院の2012年度の放射能レベルは1.5~2.8ミリシーベルトと推測されます。つまり、0.12~0.23ミリシーベルト/月、0.03~0.05ミリシーベルト/週となります。
この数字の意味をより良く理解していただくために、私たちが日常生活の中で通常被曝する放射能のレベル(出典により数値は多少異なります)を比較のため示します。

  • 胸部レントゲン撮影   0.05ミリシーベルト
  • ニューヨーク東京間の往復飛行  0.2ミリシーベルト
  • 胃のレントゲン撮影   0.6ミリシーベルト
  • CTスキャン    6.9ミリシーベルト

予測される被曝量は年間1ミリシーベルトを上回りますが、以下の理由により2012年度トレーニングプログラムを実施いたします。

  • 1.5~2.8ミリシーベルト/年は、比較的低いレベルです。例えば、レントゲンやCTスキャン等の放射線を放出する機器を扱う病院で働く女性に対する安全基準は3ヶ月間で5ミリシーベルトです。
  • 低い放射線レベルでも、長期間(数年間)に渡る被曝は健康に影響を与えるとされていますが。1年間は長期間とは考えられず、この地域を出れば正常な環境に戻ります。
  • 私どもは放射線に対する被曝を制限するため用心しています。例えば、ホコリを吸い込まないためにマスクを着用する等。

食品の安全性
アジア学院では食物の自給自足を実践しています。アジア学院で食する殆どの物はアジア学院の畑で作られています。地震の後では、アジア学院で生産される食物の安全性について注意が必要になりました。特に放射性セシウムが含まれているかが問題です。そのため食物の放射線を測定する高性能な機器を手に入れました。全ての食物を注意深く測定し、アジア学院で食される物に厳しい基準を設けました。

食品の安全基準
食品の放射線は「ベクレル」という単位で測定されます。日本政府は500ベクレル/㎏を、消費者向けに販売しても良い食品安全基準としました。
アジア学院では、校内で食する物、または販売する物の安全規準を37ベクレル/㎏としました。これは厳しい基準の生協の食品安全基準に照らしても低いです。

アジア学院のに参加する皆さまの健康には配慮しており、皆さまを危険にさらすような状態であれば、参加を募るようなことはいたしません。その点をご理解のうえ、説明しましたような状況にあるアジア学院に参加するかどうかを最終的にご判断くださるようお願い申し上げます。
地震のため、いろいろな問題がありましたが、2011年度トレーニングプログラムを実施し成功させました。そして今、2012年度のプログラムの準備を進めるなか、一緒に絆を深め、健全なコミュニティーをつくるため皆さまのご参加をお待ちしております。