学生募集 > アジア学院の卒業生紹介


アジア学院の卒業生 (1):進藤 陽一郎

僕は現在、パキスタン・アフガニスタンで活動中のPMS(ペシャワ−ル会医療サービス)の現地スタッフとして、活動地のアフガニスタン東部乾燥地帯で、現地のアフガニスタン人作業員の人々と共に灌漑用水の工事に携わっています。文化背景の違う現地の人々との活動は、実質面の業務以上に、様々な摩擦、予想外のトラブルによって、ハードな面はありますが、人がやりたくとも出来ない、やりがいに満ちた仕事に従事する事ができ、日々充実しております。

このような活動を行う上で、現在の僕にとってアジア学院での研修は今も大きな支えとなっています。なぜか?その事を簡単にシェアさせて頂きます。思うに、途上国での支援活動は、その業種に関わらず、色々な意味で「日本の常識」にとらわれない事が重要です。そして、アジア学院での研修と生活とは正に「日本の常識」にとらわれない事、そのものなのです。

何が常識とは違うのか―?例えばアジア学院で出会うライフスタイル・しあわせの方向性です。それは、お金が無い事は、必ずしも貧しい事を意味しないという事につながります。確かに、世界中どこに行っても僕たち人間はお金に対する欲は存在します。でも、ただお金の為に働くのではなく、健全な食べ物と共に、心身ともに平和に生きられる幸せが保証されるような未来の為に働こう―、そんな想いをアジア学院で学びました。勿論途上国での活動では、「誰の、どんな生活の為に?」という問いがいつも突きつけられます。そんな時に、日本的な生活の常識ではなくアジア学院で身につけた価値観を持っていることは大きな支えです。

そしてまた、有機農業が未来に向けて持つ必要性を確信させてくれる点も、アジア学院的価値観と言えます。有機農業は、決して生産性が劣るものではなく、むしろ恒久的に人間が食べて生きていく為の無限の生産力を持つものである事、その技術は畜産、作物栽培いずれにおいても常に洗練されている事は、アジア学院の研修がなければ、なかなかそれを学ぶ機会には出会えないと思います。以上のように、アジア学院から学んだ価値観は現在の活動を進める上で、僕を支える大きな自信となっています。

2002年度卒 、2003年度研究科生(GI)
進藤 陽一郎

 ■アフガニスタンでの活動の様子


アジア学院の卒業生(2):山崎 陽子

2年数ヶ月を過ごしたアジア学院では、有機農業技術や開発論などを多岐にわたって学びましたが、そうした勉学とは別に、「価値観の異なる人々と共に暮らす」という経験を積んだことが大きな収穫でした。国籍や文化が異なるということは、一緒に生活をする上での判断基準や価値体系が異なるということです。アジア学院では、外国で生活するのと似たようなカルチャーショックをしばしば味わいますが、なにしろ何カ国もの人が集まっているため、そのショックも実に多様でした。生活習慣、態度、宗教観、味覚、衛生観…。すんなり受け入れられるカルチャーショックもあれば、なかなか理解し難いギャップもありました。

しかし、こうしたギャップがあっては一緒にやっていくことは出来ないかというと、決してそうでないことが次第に分かってきます。当初は「なぜこんなに考え方が違うんだ」「どちらがより正しいんだ」と、差異を修正することばかりが頭を占めてしまいますが、農作業や日々の労働を共にするうち、違いは違いとしてありのまま受け止めることが出来るようになってくるのです。「そうか、価値観が違っていても、こうして共に暮らしていけるのか」とある日気づいた時の新鮮な驚きは、今でも忘れられません。

現在途上国支援に関わっているなかで、実は最も役立っているのは、この'違っていても大丈夫'という感覚ではないかと思います。多くの問題を抱える途上国社会では、外国人がいたずらに「この国の人達は○○だから…」と裁断してしまうことが往々にしてありますが、それは「物事はこうでなければならない」「こちらよりあちらがより優れている」といった固定観念の表れでもあるでしょう。そんな時、むしろギャップをそのまま受け止め、ギャップを楽しむことが出来るとすれば、それはとても自由なことです。私がアジア学院で養ったのは、そんな自由な感覚でした。

今でも年に数回はアジア学院を訪れます。私にとってアジア学院とは、単なる一過性の出来事ではありませんでした。当時の経験をふりかえったり、知り合った人々との関係を新たに紡いでいったりと、私自身の中で常に新しくあり続ける存在です。そのような確かな存在を心に抱いていられることを幸運に思いつつ、日々ここカンボジアでの仕事を続けています。

1999年度卒
山崎陽子

* 活動の概略:

(特活)国際ボランティアセンター山形(IVY)カンボジア事業 元現地駐在員。同国スバイリエン州にて、「持続可能な農業を通じた女性による農村開発プロジェクト」(JICA草の根技術協力事業)の農業マネージャーを務める。農村女性のグループや組合を組織し、基礎的な農業トレーニングや生活改善講座を通じて女性のエンパワーメントを図る。

 ■カンボジアでの活動の様子

●上写真:女性組合の鶏銀行活動

●上写真:田植えをした試験農場

 

 

English Page