学び舎の創設 >秩序と自立の根源
| アジア学院(ARI)は調和的多様性を日々の研修活動の中で味わいながら、それを世の中に広く確立するために日夜努力を続ける学びと生活の共同体(コミュニティ)である。
学生、ボランティア、職員とその家族、支援者、支援団体などARIにかかわる人々は、途上国を中心とする世界各地域の民族、文化を背景とする実に多種多用な人々である。それが日本の栃木県北部の丘陵の一角に集まって自給自足に近い研修生活を試みるのだから、誤解、曲解、当惑等々は日常のことである。 言うまでもなく共同生活は必ずしも共同体形成にはつながらない。ただ教室で顔をあわせるだけのバラバラの集団であっても不思議ではないのである。ARIでは同じ国からでもわざわざ異なった部族や文化的背景の学生たちを選んで招くのだからなおさらである。さらに職員やボランティアの中にも多国籍の人々がいるのである。 ところがARIの場合、素晴らしいいことに、このような極めて多種多様な人々の集団が1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月と共同研修をすったもんだでつづけるにつれて、調和的多様性が醸し出され "共に生きるために" 必要な共同体としての秩序と自律の形が形成されていくのである。 この秩序と自律の形成の過程(プロセス)が新しいリ−ダ−育成の大きな力ともなり、またカリキュラム推進の力ともなるのである。 そして、その過程の中にある者たちが自分たちの中に形成されつつある秩序と自律に気づき始め、その感動を分かち合い、ARI共同体に活力を与えるのである。 ARIの場合、秩序と自律の形成の基盤となるのは次の4要素であり、これには原則として関係者全員が参加する。
この中でa.について少し詳しく述べよう。 自然の秩序とリズムは自然環境を支え、再生産するものであり、それに協調するわたしたちの農法もまたその再生産を可能にする。(現代の工業化され企業化された農業は自然の再生産をゆるさず、むしろ破壊するものである。) 日々のたべものを自然の営みに協調して作る働きは、わたしたちに自然との一体感をもたらし、いのちのリズムに目覚めさせ、その豊かさに感動し、いと小さきものをいとおしむことによって大いなるものの存在を感じ、自然にならっておおらかに、したたかに日々新たに生きる者としてくれる。大樹から豆粒ほどもない苔、大動物から微生物、日や月、雲や風等々無限の多様性を抱擁しながら、その全体をおおらかに厳しく保つ秩序、そこにARI共同体の秩序と自律の基盤を日々新たに見出だすのである。 1995年1月4日 |
