学び舎の創設 > チョア(Chore)

 

創立以来一日も欠かさず朝晩必ず行っているのがチョアである。学びの共同体として生きつづけるために、当然なすべき勤めをみんなでするのである。その事を簡潔に表す日本語が見当たらないので、英語のチョア(chore)を用いている。

チョアの元来の意味は、家庭や農場の営みのために日々行う普段の仕事のことであり、みんなが当然なすべきことである。(近年英語ではこれを「つまらない仕事」、「望ましくない重荷」という意味で用いる方が多いのは示唆的である。)

アジア学院の場合、それは農場での家畜の世話、畑の作業全般、パン焼などの食品加工、山林の手入れ、炭焼き、校舎・校庭の整備、車両の整備、食事の準備、道路や生活廃水関係施設の整備、草花の手入れや樹木の剪定等々、実に沢山の仕事が毎日ある。

これらの仕事は人が生きてゆくうえで、一人であっても集団であっても、当然なすべき「あたりまえ」の仕事である。これを10人しかいない時にも、ワ−クキャンパ−が加わって百人以上いる時でも、みんなに仕事が満遍なくあたるように配慮するのである。

風邪気味の人、体力の弱い人、障害のある人、家畜に慣れない人、それぞれが無理なく、意味のある働きができるように心をつくすのである。

そこに「すべてと共に生きる」公正と平等が体現される。日々のチョアが環境を良くするよう配慮するのは言をまたない。

さて、新入学生やボランティアがチョアを経験すると、一様に感動し、大きな喜びを表明する。

驚くほど明るい表情に変わる人も多い。劇的な「あたりまえ」の経験である。人が日々共に生きるために、あたりまえの事をあたりまえにやる − そこに言い知れぬ感動がある。極く自然に共に心を合わせて働く静かな感動である。

大都会からの若者たちの言葉が強く心に残る。

「当たりまえの事をあたりまえにやる事がこんなに素晴らしいとは驚きです。しかし私たちはあたりまえの事をやれない状況にあるのです。」

「あたりまえの事をあたりまえにやれる社会を創る」

アジア学院のチョアは間断なくつづくのである。

 

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