学び舎の創設 > 善の力 - 3
| 大型連休のただ中、栃木教会からお米約百キロが届けられた。教会員であるお医者様御夫妻が運び込んで下さったのである。アジア学院への救援米である。昨年8月中旬、北那須地方を襲った集中豪雨とそれに続く烈風は大きな災害をもたらした。学院の田畑も損壊が酷く、自給のためのお米の収量も激減した。(アジアの土第94号参照)。
長年にわたって様々なかたちで学院を支援してくださっている栃木教会の方々は、この春「もうソロソロ自給米も底をつくのではなかろうか」と、「お米一握り運動」を始めた。各協力家庭に布袋を配り、ご飯を炊くごとにお米一握りを取り分けて袋に入れておく。一ヶ月たって集められたお米は優に百キロを超えていた。 現在学院の一人一食分のお米の量は120グラムであり、これまでに頂いた救援米の総量はおよそ150キロであるから、1250食分となる。たいへん有り難いことである。 思えば思うほど有り難いのである。極めて具体的に、学院で学ぶ者のいのちを支えて下さる。学院の生活を覚えて、日々自分たちの食べるお米の一握りを取り分け、それを続けていてくださる。 自然の恵みと人々の勤労の結晶であるお米。いのちと同じほどの重みをもつお米。私には、とても「コメ」と呼び捨てにはできないお米。その重いお米を届けて下さった作業服姿のお医者様御夫妻の底抜けに明るい笑顔が脳裏にやきついて離れない。 アジア学院の人々のいのちと学習・奉仕の働きは間違いなく、一握りのお米を取り分けて下さる人々、またその他のかたちで学院の働きを支援して下さる世界各地の多くの方々の善意の力で支えられている。 かれらも、たゆみなく続く学院創設の営みに参加しておられるのである。 ちなみに、学院の卒業生の中には山間僻地の農村を巡回して生活改善の仕事を無給で続けている方も多い。そのような卒業生と家族のいのちを支えているのは、月に数回巡回して来るかれらのために、極貧の中で毎日一握りのお米を袋に取り分けていてくれる農民達なのである。 かれらの一握り運動は毎日、そして何年もつづいている。 |
