学び舎の創設 > つつしんで生きる - 3

 

つつしんで生きる事は、過ちを繰り返さぬように用心して生きるという、きわめて積極的な生き方である。用心とは文字通り心を用いる事であり、これまた積極的な生き方である。

つつしんで生きる事は、学ぶことに深くかかわっている。アジア学院を学び舎とよぶのはそこにいる者すべてがお互いから学ぶ、謙虚なつつしみ深い生き方をするようねがっているからに他ならない。

過日アフリカのある国からの留学生が、自分の国の公用語は英語であると言った。

その国は、他の多くのアフリカ諸国同様長い間イギリスの植民地であった。独立しておよそ40年たっている。長年植民地としてイギリスに支配され、隣接する「国々」との国境線を一方的にひかれ、結果として民族、文化、社会を分断され、伝統的な価値観を失い、教育・経済・文化などの制度を押しつけられ、今にいたっている。その国の公用語が元支配国の言語・英語なのである。

理由は何か?同じ「国」の中に多くの種族が生活し、それぞれ異なった言葉を話す。英語以外に共通語が無い。英語なくして「国」の統一も隣国との話し合いもできない。

では、その「国」のみんなが英語を話せるか。否である。英語を自由に話せるのは、わずかなエリート層の人々だけである。かくして英語による多民族支配はつづくのである。

わたしは、文明史を勉強する中で、またアジア学院の働きの一環として、数千年にわたる植民地支配の歴史、また現代の欧米各国や日本による、はたまたG8 などとよばれる強国による植民地支配の歴史、人類の生態などを学んできた。

古典その他膨大な文献や資料を新たに検証し、インターネットなどで最近の情報を集めたうえで、現にアジア学院で学ぶアフリカの青年からも言語による途上国支配、それが及ぼすであろう人類の未来への影響(たとえばグローバリゼーション)などにつて学びをつづけるのである。

アジア学院には自分の生涯を超える学びの機会が果てしなく拡がっている。一学徒としてここにあることを感謝したい。

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