学び舎の創設 > つつしんで生きる - 9

 

最近の海外の研究によると、現在約100万の人々が毎週農村から都市へ移動して いるという。この勢いでいくと、2030年には世界人口の60%が都市人口になるという。都市化の歴史は少なくとも7000年におよぶと付記されていた。

この発表自体はおどろくに当たらない。2世紀以上も人口動態に関する調査研究は世界各地で進められているのである。

1年間には少なくとも1500万人が農村から都市へ動く。2050年、2080年、2100年には何%が都市人口になっているのだろうか?言うまでもなく、生きるものは食べつづけねばならない。生物の宿命である。

増えつづける都市人口 - かれらは自らえらんで農を捨て食を離れた人々である。しかし、かれらも食べ続けねばならない。

2050年、2100年の世界食糧事情はどううなっているだろうか?このままでいけば、泣くのは都市と農村の人々である。その頃には、戦争はなくなっているかも知れない。「腹がへっては、戦はできぬ」からである。消極的平和の到来である。その時には人間社会は消滅しているかも知れない。

近年日本ではやっていると思われる里山回復運動(一種の自給自足運動だとわたしは理解しているのだが)は、いまのところ都市住民による願望運動の域を脱していないようである。これが農村地域の住民をふくむ大運動に発展してほしいし、世界規模のそれになってほしい。

いずれにしても、ますます減少する農村人口でますます増大する都市人口の食料を供給し、野山を守るのである。これは片手間ではできない大仕事である。ここに新しい世紀を迎えたアジア学院の新しい使命がある。

そこで、アジア学院の原動力となるのが「つつしんで生きる」という生き方である。過去のあやまちを繰り返さないで、用心して生きるというあの生き方である。

初めに述べたように、わたし達日本人は少なくとも平安の昔から、「つつしんで生きる」生き方を知り、生きてきた。これからもそうすることが、将来のアジア、アフリカひいては世界へのわたし達の貢献ではなかろうか。

 

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